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2030年に22億人!600兆円のイスラム圏ビジネスに備え、ハラル認証を
- 2015/4/4
こんにちわ、イスラム系男子のヒゲに憧れるナカゴミです。
今回はビジネスだけでなくイスラム国の問題など、色々な意味で注目されているイスラム圏ビジネスの現状と今後について紹介致します。ムスリムインバウンドやハラル対応・ハラル認証等、日本はまだまだ遅れているのが現状です。
今後も人口が増え続ける市場ですので、今のうちからムスリムフレンドリーを意識し、日本国内だけでなく、海外での販路開拓なども戦略的に行っておきましょう。
▼目次
1.増加するムスリム人口
2.イスラム諸国の高い経済成長
3.ハラル対応・認証してますか?
4.ハラル認証取得で広がるビジネス
5.ムスリム対応商品の海外展開(海外製造)
6.ムスリム対応商品の海外展開(日本国内製造)
7.ムスリム対応商品の国内展開
8.ムスリムインバンド・ムスリムフレンドリー
増加するムスリム人口
ムスリムとはイスラム教徒の事をさし、2010年で全世界に16億2000万人。2030年には22億人まで増加する見通しになっております。主な国はインドネシア、パキスタン、インド、エジプト、バングラディッシュ、ナイジュリア、イラン、トルコ等…。
世界人口における宗教分布の割合(2009年)は現在、キリスト教が約33%、イスラム教が約22%、ヒンドゥー教が約13%となっており、この割合は大きく変わってくると予想されます(ちなみに仏教は約6%、無宗教は約11%)。
イスラム諸国の高い経済成長
人口の多いインドネシア(現在約2億5千万人。2030年には約3億人の予測)や、一人あたりGDPが大きいマレーシアを中心にイスラム圏での経済成長が著しいです(一人あたりGDPは2013年 10548ドルで、日本や韓国、シンガポール、香港等には遠く及ばないものの世界平均の10000ドル以上というのはアジア熱帯地域では希)。
また、インドネシア・マレーシア共に富裕層だけでなく、アッパーミドル、ローワーミドル層がさらに増加し続ける見通しの為、耐久消費財や贅沢品が売れるきざしがあります。実際に日本への旅行客も2010年ごろから急増しており、今後の成長にまだまだ期待ができます。
※富裕層:35000ドル超、アッパーミドル層:15001~35000ドル、ローワーミドル層:5001~15000ドル、低所得層:5000ドル以下(年間可処分所得)
ハラル対応・認証してますか?
ハラル(Halal)とは、イスラム法に基づき許されたものという意味で、反対に禁止されるものはハラーム(Haram)と言います。イスラム諸国では、ムスリムが安心して使う事ができる商品を識別するため、原材料や製造工程を審査し、ハラルであることを証明する「ハラル認証」を行っております。
ハラル認証を受けた商品には「ハラルマーク」を表示する事ができ、ムスリム人口の多い国ではハラルマークの付いた食品や化粧品等が多く流通しております。
近年はハラル認証を行う機関も増えておりますが、認証機関となるための資格や法的な規定がないため、怪しい(?)認証機関も乱立している為、注意が必要です。
ASEANでは、マレーシア・イスラーム開発局・ハラル産業開発公社の一部門である「JAKIM(ジャキム)」、インドネシア・イスラーム聖識者会議が認証する「MUI」などが認知度が高く、信用力があるといわれてます。
http://bizgate.nikkei.co.jp/special/emerging/topics/index.aspx?n=MMBIb4000027012012
ハラル認証取得で広がるビジネス
海外販売を前提とする商品であれば、認証を取得する方が良いケースが多いです。ただし、日本国内販売については認証を取らずとも、成分表示を英語、アラビア語表示にする事で対応可能なケースもあります。
地域モスクと連携し、在日ムスリムや訪日客の受け入れを行う飲食店もまだまだ少ないのが現状ですので、積極的に取り組む事で顧客獲得に繋がる可能性が高いです(成分に豚、アルコール由来のものがないかをしっかりと確認しましょう)。
ムスリム対応商品の海外展開(海外製造)
海外の協力企業と合弁で製造拠点を設立し、ハラル商品を海外で製造し販売するケースは国内製造に比べてハラル認証が取得しやすく、製造・輸送コストも抑える事ができます。ただし、信頼性の高い協力企業確保が非常に課題となっております(そんな時はジェトロから専門家派遣事業を委託されているグローバル顧問に任せてみましょう)
九州の企業でも、ソーセージやうどん店などを実際に展開・販売している企業があります。
ムスリム対応商品の海外展開(日本国内製造)
日本ハラール協会、日本ムスリム協会など、海外市場でも信頼性の高いハラル認証を取得し、日本国内で製造したものを輸出する場合は、ハラル対応に加え、ハラル認証の前提となる衛生環境対応に苦労するケースが多いです(国内ではハラル認証を取得するにあたっては、ISO、HACCPの実績があると比較的取得しやすいケースもあります )
また、販売現地の販路開拓・マーケティングに非常に苦戦するケースが多いので、必ず事前の情報収集や戦略策定を行っておきましょう(グローバル顧問などに相談して…)。日本茶やいなりずし、塩などを九州の企業からも海外に販売しております。
ムスリム対応商品の国内展開
ムスリムインバウンド(訪日観光客)の土産物需要が拡大している一方で、提供できる土産物が限られているのが現状です。ムスリムの方々は食品や工芸品をおみやげとして購入されるケースが多く、家電や免税品は中国観光客などに比べて少ない特徴がありますので、ぜひ食料品などはハラル対応をしてみましょう。
ハラル認証を取得している方が信頼性が高いものの、認証のないものでも成分表示を英語対応にするだけで充分なケースもあります(英語、アラビア語の成分表示をしているものの認証のないものも多々あり、売れているのが現状です)
試食会では菓子(カステラやかすまき等)、果物、牛肉の評価が高く、日本製である事、日本の風情を感じやすい消費やパッケージなどがあると尚よいです。特に高価格帯でも売りやすい果物は、百貨店での販売可能性も視野にいれておきましょう(国内主要空港、県内ホテル、観光施設、他)。
ムスリムインバンド・ムスリムフレンドリー
最近は東京・大阪・北海道・京都をメインにムスリム訪日客が増加傾向にあります。ただし、日本で安心して食事、礼拝できる場所の選定に苦労する場合も多いのが現状です。
福岡市では福岡マスジド(モスク)が監修したムスリムフレンドリーレストランマップを作成し、観光案内所やホテルで配布しております。
また、京都のセンチュリーホテルではハラル対応の和食メニューを開発したり、キブラコンパス(メッカのカーバ神殿の方向がわかるコンパス)、礼拝用マット、女性用礼拝着、クルアーン(コーラン)の貸出しサービスを行っております。
さいごに
今後更に規模の拡大が期待されるイスラム圏ビジネスについての理解は深まりましたか? ムスリムインバウンドやハラル対応・ハラル認証等、日本はまだまだ遅れているのが現状です!
いち早く取り組むことで、ビジネスが一気に広がる可能性がありますので、海外進出を考える際にはぜひ参考にして頂けると幸いです。私達のグローバル顧問を使う事で、販路拡大・パートナー探し、工場設立などもスムーズにできます。お気軽にご相談下さい。
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